日本の省エネ、環境技術はなぜ役に立たないのか (2007-1-21 YI)

省エネルギー技術が進歩すればするほど、エネルギー消費は増える。日本は省エネルギー、環境技術が世界一が自慢だが、一向に効果は上がらず、2005年のエネルギー消費は過去最大、もちろん二酸化炭素排出量も最高の14億6400万トン(CO2換算)と、前年度より0.6%増、エネルギー消費は原油換算で4億1455KLで、2年連続して過去最高を記録した。

これでは京都議定書、1990年比で6%減など、夢のまた夢である。そこでまた科学技術の進歩を、もっと予算を、企業と連携してなどとなるが、それはまた幻想でしかない。日本の総合的な技術理念が、いい加減だからである、むしろ無いといっても良いかもしれない。日本の技術は、「この意味」では世界三流なのである。部品としての技術、個々の技術は一流なのに惜しいことである。どうして日本の技術が役に立たないのか、その理由は明快である。ジェヴォンズのパラドックスである。ご存知だろうか?

省エネ型のテレビも、台数が増えれば何もならない。ハイブリッド車もスポーツカーを売りものとする、販売台数を増せば元の木阿弥である。マネーが全ての工業化社会、GDPの無限成長を望む浪費社会とはそのようなもの、技術の進歩は地球環境問題にも、国民の幸せにも役に立たない、ということなのだろうか。

ジェヴォンズ(William Stanley Jevons)ズは19世紀の、イギリスの経済学者、「石炭問題」の著者で、当時イギリスの[石炭ピーク]論、つまり資源有限論に立った稀有なエコノミストであるが、今の石油ピークを無視したがる、主流のエコノミストは大いに学ぶべきである。
アメリカ追従の経済学、政策、強者必勝の論理は、日本国民、地域社会、庶民の幸せを破滅に導いている。最近の世論、特に格差に対する不満がそれを明瞭に示している。
流行語ともなった、一見格好良いグローバリゼーションとは、アメリカスタンダードの世界普及、押し付けでしかない、と思う人が増えている。何故か? アメリカの一国主義、国際企業の世界制覇の現実、格差の拡大を見ればすぐわかるのでは。先ず自分で考えることである。

「地球は有限、自然にも限りがある」、この真理を啓蒙するため「もったいない学会」を創った。その心は「石油ピークは農業ピーク、そして文明ピーク」である。100万人の国民運動にインターネットを全面活用する。もう待てないからである。

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