日本語訳
国際機関IEAはようやく従来の、長年の楽観論を見直しはじめて、今度は一転して石油ピークとその後の「予想以上の石油減耗」を警告した。だが、大方は未だにその重大性を見過ごすのか、温暖化、石油価格のみにいまも目が行くようである。これも「地球は有限、エネルギー資源は質が全て」が理解できないからであろう。経済危機も一過性と信じ、経済成長路線をどう回復させるか、目先の政策、金融支援に議論が集中する。そしていつものように温暖化の脅威論が前面に出る。が、これは科学合理性を欠く。何故なら脱浪費でなく脱炭素となるからである。この両者は一見同じようだが、技術の展開が違ってくる。
だが、現在は1929年の経済恐慌当時と全く違う、エネルギー・資源の制約がその根源にある。文明が変わりつつある。これを理解しない経済政策は中長期的な成果など望めない、問題の本質を見逃しているから。よく考えて読めば、IEA2008年レポートは、我々の文明が大きな転換期にあるといっている。この意味、重大さを理解した企業、国家、人のみが今後生き残ることとなる。