経済成長とは:政府の「新戦略」は何を語らないか (2007-Jan)

新経済成長戦略が2006年6月に経済産業省から出されている。産業人が主役であるが、それを有限地球観から眺める。先ずその概要説明だが、書き出しは、

「国際競争力の強化」と「地域経済の活性化」を二本柱とし、継続的に人口が減少するという逆風の下でも「新しい成長」が可能なことを示す「新経済成長戦略」をとりまとめました。本戦略は、産業構造審議会新成長政策部会(部会長 西室泰三(株)東芝 相談役・(株)東京証券取引所 代表取締役社長兼会長)において審議・検討を行い、同部会の了承を得て、経済産業省としてとりまとめたものです。

とある。その内容は役所の322ページの膨大な資料をご参照願うが、IT、イノベーション、次世代ロボットなどメディアの流行語、そしてカタカナ文字は溢れんばかりだが、小泉元総理も述べられた「脱石油戦略」、「もったいない」など、有限地球観に立った透徹した合理性、総合性が全く認められないのである。地球環境、エネルギーなども技術でとなる。

本当にそれで良いのか、少子化はそんなにも悪いことか。石油、水、土壌、漁業、森林、そして地球温暖化、発展途上国の自然環境破壊など、人類の生存基盤が崩壊しつつある現代、人口が減るのは逆風というより、むしろ順風なのではなかろうか。

だが、ここでは取りあえず問題提起にとどめる。先ずはご自分でお考え頂きたいが、惜しいことである、個々の「要素技術」は世界トップクラスなのに。

この膨大な分量の「新戦略」は、「地球と自然」を語っていない、「地球は有限」とは思わないようだ

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